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すべてのレシピを開く言葉
クメール料理では、ある言葉が繰り返し登場します。それがクルーンです。文字通りには単に「材料」を意味し、カレーのクルーンとは、それを作るための基本となるブレンドにほかなりません。しかしこの何気ない言葉の裏には、カンボジア料理全体を支える柱のひとつが隠れています。新鮮なハーブとスパイスを根気強くすり鉢ですり潰したペーストで、カレーだけでなくスープやマリネにも風味を与えます。
ひとつの基本、いくつもの顔
「黄色いクルーン」とも呼ばれる基本のクルーンは、一般的にレモングラス、ガランガル、コブミカンの皮と葉、生ターメリック、ニンニク、エシャロットを組み合わせて作られます。生のターメリックをふんだんに使うことこそが、多くの材料を共有するタイやラオスの近縁のペーストと、クメールのクルーンを分ける決定的な違いです。タイのカレーペーストとは異なり、基本のバージョンには伝統的に唐辛子は含まれず、辛さが欲しい場合は別途加えられます。
お祝いの料理やより濃厚なカレー向けに、根茎類や乾燥スパイスをより多く使った、さらに手の込んだバリエーションも存在します。しかし根底にある考え方は常に同じです。新鮮な香草を、なめらかで香り高いペーストになるまで根気強くすり潰すこと。
カンボジアの食卓の主役:アモック
クルーンについて語るなら、カンボジアの国民食であるアモックに触れないわけにはいきません。バナナの葉に包んで蒸されるこの魚のカレーは、その香りのすべてをこのスパイスペーストに負っており、ココナッツミルクと合わせることで繊細で香り豊かなムース状の食感になります。また、発酵魚醤とココナッツミルクで豚肉を煮込み、生野菜を添えて食べるプラホック・クティスにも、クルーンが使われています。
レシピ以上の、ひとつの所作
カンボジアの台所でクルーンが作られる様子を見て印象的なのは、そこに費やされる時間です。それぞれの材料は細かく刻まれたのち、一つひとつすり潰され、なめらかな質感になるまで根気強く続けられます。多くの家庭では今なお、ミキサーではなく石のすり鉢を使い、手作業でこれを行っています。それは私たち自身のスパイスブレンドづくりにも通じる所作であり、速さよりも、忍耐と食材の新鮮さが常に優先されます。
この体験を自宅で楽しむために
地球の裏側まで旅をせずにこの料理に触れてみたいなら、新鮮で質の良い材料を選ぶのがおすすめです。レモングラス、生姜、ターメリックを、私たちのカンボジア産スパイスと組み合わせれば、伝統的なクルーンに近い香りのベースを再現できます。平日の夜に思い立って作るカレーひと皿にも、こうしてカンボジアの一片がそっと寄り添います。